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2008年5月 3日 (土)

電車に車体強度は必要か?

 ちょっと前のクローズアップ日本と見ていたら、福知山線事故から3年と言うことで電車の車体強度の問題についてやっていた。

 あの事故は速度超過から脱線して、線路脇のマンションに前方の車両が激突したものだが、1~3両目の車体の潰れ方が激しく生存空間が殆ど残っていなかったことが被害を大きくしたと言っている。
 確かにあの壊れようでは中の人間はたまったもんじゃないが。
 そしてアメリカでの車体製作時に課せられた法律が、事故時に有効であり日本でも同様な法律がいると言っている。
 そして日本の車体製作メーカーは彼の地用の車体を作成しているんだから、ノウハウには困らないと。

 だけどなぁ。

 福知山線の事故の場合は、もし車体強度が高くて内部に空間を多く残せる構造であったら、衝突時に生きていた乗客が多かったかもしれない。
 だがあの速度でマンションに突っ込んで空間を確保できたとしたら、どれだけの強度が必要だったのだろう?
 そして、車体が潰れることで吸収されるはずだったエネルギーはどこに行くのだろう。
 今回ぶつかった相手が比較的新しい関西のマンションだったが、これが耐震偽装で話題になった「グランドステージ」シリーズだったら、建物倒壊でより大惨事になっていた可能性もあるのだが、番組ではそう言ったシミュレーションまではやってくれなかったのは残念。

 それに空間が残ればいいと言うものではない。
 衝撃が室内に伝われば、中の乗客が吹っ飛ばされて壁や他の乗客と激突してまともに生きちゃいまい。
 自動車の安全ボディは、車体の前後は潰れることで車室に伝わる衝撃を和らげる事と、車室はできる限り変形させないで生存空間を残すように考えられているが、同じことを電車でやろうとしたら、乗客は座席にベルトで固定してなきゃならん訳で、座席指定ののぞみならともかく、通勤時間帯の電車じゃ座席に座ることすら難しいのに。

 仮にアメリカ仕様の車体を動かすことになったとして、まずインフラが対応できない。
 最近の軽量車体に合わせたインフラが重装車体を動かせるのか?
 そして省電力化を図る一端として軽量な車体が一役買っているのだが、重装車体の電力消費を現行の車体並にする事ができるのか?
 番組でも認めていたが、日本の鉄道は事故を起こさせない事を重視してコストを掛けて安全運行システムを作ってきた訳で、その安全システムをかいくぐって何年~十数年に一度あるかどうかの事故に備えて車体を変えるか?と言われると、難しいものがあるだろう。
 その重装車体がどれだけの人命を救えるかは全く判らないのだから。むしろ、そんな重装車体が必要な鉄道は、安全システムが日本より劣っているから事故発生率が高く、したがって事後の安全性を車体に求める必要があるんじゃないかと。

 日本の鉄道会社でも重装車体を採用する事はできるだろうけど、そのコストは確実に運賃に跳ね返る訳で、比較的安定した運賃だった鉄道まで安全を理由に値上げされたら、それを受け入れられるか?と言う問題もある。

 今回の放送、まるで昔あった自動車のサイドインパクトバーの報道の様な、叩きに近いように思えるが。
 次は飛行機に墜落しても乗客の命を保証しろと言うネタだったりしたらやだな。

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