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2006年4月15日 (土)

「ローレライ」に撃沈される

 「亡国のイージス」の映画を見てダメだししたものの、福井晴敏を否定していた訳ではない。
 だが読まないでいるのもなんだかなぁと言うことで、「終戦のローレライ」文庫版(全四巻)を入手した。
 1巻だけボリュームが少ないのは最初に分量を見て止める可能性があるから、取りかかりやすい分量で読者と掴もう、仮にダメでも1巻で終わりなら安く済むからと言うことだろう。
 確かに親切な心遣いである。 が、私の様にシリーズは全部一度に買ってしまわないと気が済まない人間には通用しないのである。 上下巻が出ていて上巻だけ買って帰るなんて真似が出来ないのであった。
 
 さて、物語は降伏したドイツから逃れてきた潜水艦とその潜水艦に搭載された兵器と、日本の終戦に向けての暗闘を描くものであるが・・・
 すいませんm(__)m ペコリ 3巻目の初めで挫折しました。
 どうしても読む気力が湧かないのだ。
 普通ならこの程度の分量なら、通勤の行き帰りで2週間もあれば片がつく筈なのに、全く読む気が起きてこないのである。
 一言で言えば「肌に合わない」
 太平洋戦争末期の状況を使って作者が何を言いたいか事があるのは判るのだが、何故かそれが軽くてその思いが空回り感が強い。
 重く扱うならそれなりに重々しく感じるものなのだけど、それが軽くて疲れるのだ。
 ディテールが凝ってないからとか嘘のつき方がうまくないとか、そう言う事だけではないのだ。
 登場人物がそれぞれ重いものを背負った半生があっただろうに、その重さが感じられないのに重いように見ようとするのが疲れるのではなかろうか?と思う。
 仮想戦記にするならするで、それに徹していればまだ良かったのかもしれないが、なまじ人間のドラマを悲劇の中で描こうとする・・・日本映画がよく嵌まる穴である・・・ので、疲れる割に言いたいことが伝わらないんだろうなと。
 
 最も大藪春彦が最高とする私の言うことなので、福井晴敏が最高と思う人にはまた別の見方があると思う。
 
 他の作品を読むか? それは判らない。
 
 そう言えば今月は大石先生の新作が予定されていたっけか。

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