イタリア旅行その11
2日目 ヴェネツィア編その3
デュカーレ宮殿の見物が終わると、次はヴェネツィアングラスの工房見学である。
ま、工房と言っても観光客相手にガラス製品作りを実演する程度のもので、目的はヴェネツィアングラス製品の販売になる。
一応、ガラスを吹いて製品作りを見物し、その上の階のヴェネツィアングラス製品の売り場で製品についての簡単な説明を受ける。
何か買っていくか?と母に聞くと、最初は買って帰る気があったようだが、見てみて興味が無くなった様で、いらないと言う。
陶磁器の方が趣味なのでガラスは気に入ったのがあれば程度の興味だったようだ。
そうであれば長居する必要はないので、さっさと外へ出る事にする。
添乗員さんにオプショナルの費用を手渡し・・・下手にホテルのロビーでやるより安全って事で・・・一端離れることを告げる。
もはやコースとしての観光は終わっているので、これからはフリータイムとなる。
ま、表立って見るところと言えばこの程度なので2時間あれば十分なのだが、ガイドさんの予定のせいで朝イチから観光となった為、昼食までかなり時間が余る。
昼食前にゴンドラ遊覧するので、時間になったら集合場所へと指示を受け工房を後にする。
サンマルコ広場に出ると、更に人が増えていた。
尖塔に登る為のエレベーター前の行列も増えている。
この尖塔は倒壊したのが20世紀頭だった事もあり、再建時にエレベーターを設置する余裕が初めからあったおかげで、他の登れる世界遺産と違って楽に上まで登れる。
それだけ人がいても、まだ観光始めたばかりでカフェに入ろうって気にはならないらしく、広場のオープン席はかなり余裕がある。
ここへ来たらフローリアンで何か飲まないと。
最初は店内にとおもったのだが、外で飲むのも変わっていていいとの母の意見もあって、ステージにほど近い所に席を取る。
持ってきてもらったメニューを見ると強気ないいお値段が並んでいる。
そりゃまぁヨーロッパ最古と言われるカフェともなれば、これくらいは取ってもおかしくないとなるのだろうが・・・ 昼前と言うこともあって軽めの物を注文する。
軽食まで頼んだらいったい何ユーロになることやら。
待っている間ステージの方に目をやる。
ステージ上では各パートの演奏者が準備をしているが、結構もっさりとしていて何時始まるのかと言う感じだ。
今日一日演奏を続けるのだからあわてたって仕方がないと言うオーラが漂っていたような気がした。
そうこうしているうちに注文した品がテーブルに届き、飲み始めると同時くらいに演奏もスタート。
だが、他のパートと比べてフルートが一人下手。
明らかに他のパート(ピアノ・ベース・バイオリン等)と比べて音が外れている。
伝統あるフローリアンでこれでいいんか?と思うのだが・・・
フローリアンで時間をつぶした後、集合場所の2つの柱に向かう。
サンマルコ広場への海からの入り口を示すこの柱。 共和国時代は間にロープを渡して首吊り刑も執行していたと言う。
もちろん、今はそんなことは全くうかがえないが。
またも集合一番乗りである。
人ごみを抜けてくるのに時間が掛かると思ったのだが。
集合時間には全員集まり、ゴンドラ乗り場へと向かう。
ここでは一度はゴンドラに乗らないと意味は無いので申し込んでおいたのである。
勿論2度乗っても楽しめるが、3度目は判らない。
人数が集まったので旅行会社主催オプショナルとなり、ただ乗るだけではなくアコーディオンと歌付となった。
人数がいなければただ乗るだけだった訳で、個人で交渉したのと大差ない値段で音楽付なら悪くない。
ゴンドラ3艘に分乗することになり、くじ引きで我々は先頭。
音楽隊(アコーディオン1ボーカル1)は真ん中なので、ちゃんと聞こえるか疑問だったが、あちらもプロだけにそんな心配は無駄であった。
サンマルコ広場からため息の橋の下を通って、ゴンドラは小運河を進む。
このあたりへ入ろうとすると、タクシーを頼む以外に無いので、大運河とは違った風情が楽しめる。 澱んだ所の臭いも楽しめるが・・・
ゴンドリエーレの櫓捌きと音楽を楽しみながら右に左にとゴンドラは進んでいく。
ひょっとしてリアルトまで出て、そこからまたこっちに戻るのか?と思ったが、小運河を経由して出発地点とほぼ同じ位置に到着。
大運河はモータボートやらヴァポレットやらが行き交うので、並が始終たっておりゴンドラだと結構揺れる事を考えると、このコースは結構いいコースだったかもしれない。
当然、初めて乗って異国の風情を楽しめた母は大喜びである。
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