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2007年6月24日 (日)

イタリア旅行記その10

2日目 ヴェネツィア編その2

 観光に出発。まずサンマルコ広場を目指す。
 ヴェネツィアの場合、小道の分岐や十字路には看板でサンマルコなりリアルトなりの方角を示していることが多いが、その矢印がそれぞれ正反対になっていることも多い。
 慣れないと「どっちに行けばいいんだ」となるが、どっちに行っても正解。
 単に右回りか左回りかの差でしかない事が多い。
 今回も添乗員さんとガイドさんでどっちに行くか?となったが、ガイドさん曰く「時計台下から入る方が」と言うことで右に行く。 朝の散歩は左に行ってサンマルコ寺院脇から入ったのだけど。

 サンマルコ広場はまさにヴェネツィアの顔。 朝も早いのに人が多い。
 レガッタの観客も含まれているのだろうが。
 まず広場からの解説が始まる。
 今回のガイドさん、何故かアメリカ人観光客には冷たい(笑)
 あまりにも多すぎるし船で何千人も一度に乗り付けるから、地元に金は落ちないのに人だけはあふれ返っていると言う。
 ビン・ラディンがまた何かやってくれれば連中は来なくなって助かると。
 まぁ連中はどこでもアメリカンなルールで動くから迷惑このうえないが、中国や韓国も似たようなもんだし、日本人がお行儀がよすぎるのかもしれない。

 広場の話に戻ろう。
 ナポレオン曰く「天井のない応接間」というのもあながち大げさではないが、ナポレオンの為にサンマルコ寺院のとい面の建物を新築しているので、元々はどうだったのか気になる。
 サンマルコ寺院は日曜のグループ入館を禁止されているので外観のみ。
 内部を見たい場合は2時過ぎの一般公開でとなる。
 その後はデュカーレ宮殿。
 ここは内部に入れる・・・と言うか、ここを見なかったらどこを見ると言うのだ?
 が、入る際にちょっとアクシデント。
 入り口で持っていたショルダーバッグが大きさに引っかかり預けろと言う。
 他にも3人ほど引っかかったが、貴重品を取り出した後、添乗員さんがクロークまで預けに行ってくれたので助かる。
 ここだけでなく、フィレンツェのウフィツィ美術館でもそうだが、セキュリティが厳しくなっている。
 ウフィツィではディバッグはNGと明確にされているが、まさかショルダーバッグ程度でそうなるとは思わなかった。
 もし今後行くようなことがあったら、荷物の持ち方を考えた方が良いかと。
 ウェストポーチ程度で納めるくらいでないと安心できないかも。
 さて、デュカーレ宮殿の中に話を戻すと、宮殿と言いつつもここの主は王様ではない。
 ドォーチェと呼ばれるいわば大統領の様な最高責任者の館兼執務室兼議場兼各種役所兼刑務所の建物である。
 みんな同じ建物にあるから、情報伝達や意思決定も早かったに違いない。
 日本でも同じようにできれば省庁の壁ってのも大分薄くなるんじゃなかろうか。
 実際、ヴェネツィア共和国では元老院や国民議会の他に極秘条項を扱う部門を含む各種委員会があり、秘密を要することや速さを求められる案件は議会を通さずに進められたものもあるという。
 基本的に人間は間違いや悪事をしでかすものと定めて、国家元首であるドーチェでさえその力を一人で行使できないようにしたヴェネツィア共和国ならではの宮殿かもしれない。
 内部は外国の賓客や大使・特使向けの力を誇示する為の豪華絢爛な場所と、自国民向けの味もそっけもない場所の差異は非常に大きい。
 外向けはまさにどこの国の宮殿と比較しても遜色ない飾りつけで、東地中海の女王と呼ばれた実力を示しているが、そんな示威行為が必要でない自国民向けでは完全に実務一辺倒の質素な作りである。 他の国なら自国民にも権力者を崇めさせることを目的に示威行為の装飾を行う場合もあるが、国家元首でさえ投票で選ぶヴェネツィア共和国の事、その必要は全く感じなかったに違いない。
 ずっと館内の見学が続くが昇り降りは階段以外にないので、膝の具合のよろしくない母にはちょっとキツい思いをさせてしまった。
 この手の歴史的建造物にエレベーターやエスカレーターをつける訳にもいかないし。

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